日本人は、
何を文字にしてきたのか。

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伝えられた文字

空海 - 人と書

弘法大師・空海は、平安時代初期の僧侶であり、単なる仏教僧にとどまらず、能書家としても非常に高く尊敬されてきました。日本で最も優れた才能を持つ一人とされ、嵯峨天皇、橘逸勢と共に「三筆」の一人として数えられています。

空海の書は、単に美しいだけでなく、その多様性と革新性において特筆されます。空海は中国・唐から書を学び、王羲之の書を深く研究し、それらを自らの書風に取り入れました。

空海の代表的な書として、特に「風信帖」が挙げられます。これは空海の書法の典型を示す傑作であり、空海の書の中でも最も珍重される「三筆」の一つ(三つの傑作)とされています。他に「真言将進表」と「灌頂記」もこの「三筆」に数えられます。これらの書からは、空海の書が古代の書と当代の書を融合させた、奥深い表現力を持つものであったことが分かります。唐の書風を取り入れつつ、日本の風土に合わせた書風を創出した空海の功績は大きく、日本の書道史において画期的な存在でした。

空海の書は、弟子たちによっても後世に伝えられました。空海に学び、書道の世界で活躍した人々は「十哲」と呼ばれ、その中には真雅、真済、真然、貞操といった高僧が含まれます。
しかし、平安時代中期になると、小野道風、藤原佐理、藤原行成の「三跡」が登場し、日本独自の書風である「和様」が確立されていきます。これにより、唐風の書が主流であった時代は終わりを告げ、空海の直接的な書風の流行は衰退したものの、空海の書に対する尊敬の念は決して失われることはありませんでした。むしろ、空海の作品は「書聖」として、現代においても最高の能書家の一人として尊敬され続けています。

空海の書は、単に技術的な巧みさだけでなく、思想や仏教的な教えが深く反映されている点が特徴です。空海の遺した書は、その芸術性と精神性の高さから、今日に至るまで多くの人々を魅了し続けています。

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