弘法大師・空海 尺牘『風信帖』
『風信帖』は、弘法大師・空海が天台宗の開祖・最澄に宛てた3通の手紙をまとめた巻物であり、日本書道史上の名跡として極めて高い評価を受けています。その名称は、第1通目の冒頭に記された「風信雲書」という言葉に由来しています。もとは5通あったとされますが、現在は、1通が盗難に遭い、もう1通が豊臣秀次に献上されたため、3通のみが現存しており、これらは京都の東寺(教王護国寺)に国宝として所蔵されています。 この書簡が書かれたのは、空海と最澄の交流が深まったとされる810年頃とされています。両者は遣唐使として中国で仏教を学び、帰国後、日本仏教の発展に大きく貢献した歴史的人物です。風信帖の内容は、こうした2人の仏教や密教に関する議論、そして深い親交を物語る貴重な記録となっています。